移報機能付感知器

マンション等で感知器が作動したことをインターホンへ移報するシステムが多く採用されています。この場合中継器と特別な感知器を使用しています。


一般的な感知器には極性が有りませんが、移報機能付感知器には極性が有りC,Lを逆に結線してしまうと誤作動や不作動の原因になります。(図 94)
定温式感知器にもS端子のリード線があります。ここで使用する中継器はリレーと全く同じで、リード線の赤に+、黄色に−が加わった時中継器の内部でオレンジのリード線同士、同時に緑のリード線同士が短絡し中継器外部にA接点を出力する仕組みになっています。(図 94−2)



監視状態では感知器内部の接点が開になっているので赤の矢印のような電流の流れになりますが、火災時では感知器内部の接点が閉じるので青い矢印のように電流が流れはじめ中継器が作動しA接点を出力させる仕組みです。(図 94−3)



感知器間で必要な配線の本数は、感知器側に終端抵抗を接続する場合は3本、総合盤などへ送り返す場合は5本になります。このように1住戸に1つの中継器を設け、その住戸内に設置する感知器のS端子をすべて接続しあえばいいわけです。(図 94−4)



インターホンの特性ですが、内部のSL、SCという端子はP型1,2級の受信機のL,Cと同様で感知器等を接続しA接点を受け入れるものです。わかりやすく言うとSL、SCに結線した電線が外部で短絡するとインターホンが「火事です。火事です。・・・」のアナウンスが流れる仕組みになっています。また、このようなインターホンには終端抵抗が付属されているのでSL,SCの終端の部分に接続します。
中継器からA接点が出力されるので図のように結線すればいいわけです。図ではオレンジのリード線2本を使用していますが、緑色2本を使用しても、同時に4本使用しても同じことです。(図 94−5)



実際に結線したところ、かなり複雑になっています。終端抵抗は総合盤側へ送り返したので感知器間の配線は全て3p(6芯)を使用しました。




一般的な配線の例