火災感知器の作動と連動して防火シャッターや排煙口などの設備を作動させることがあります。
それらの設備を総じて防排煙設備といいます。
防火シャッター、排煙口、防火扉、防火ダンパー、たれ壁、などがあります。




感知器と防排煙設備が連動するメカニズムは以下に記述する通りです。
防排煙設備に回路図が添付されています。図 70−2はそれを解りやすくしたものです。


図 70−2の回路はリレーを応用したもので図 70−3のように電線を追加したものと考えてください。


図 70−4のようにコイルに電流が流れると接点が閉じるのはリレーで前述した通りです。

図 70−5のように防排煙の設備はコイルに電圧が加わり磁石になる力を利用して開錠します。
開錠されればあとは、防火扉、防火シャッターなどはそれ自身の重さで、排煙口、ダンパーなどはバネの力を利用し作動するわけです。
開錠と同時にで示すようにコイルに接続されていた片側の線が一番下の3本目の線と短絡することを認識しておいて下さい。




次は防排煙用の受信機の特性の説明です。
簡単に回路図を示したのが図 70−6です。



図 70−7のように
@ CとL11が短絡するとD11のコイルが作動します。
D11のコイルが作動するとd11の接点が閉じます。(A
d11の接点が閉じるとDC、D間に電圧が発生します。(B

また図 70−8のDようにDCとDAを短絡するとDAの番号に応じた防排煙の確認灯が点灯することがわかります。


以上を踏まえると図 70−9のように結線すればいいことがわかります。



図 70−10のように
@感知器が火災を感知し内部でCとL11が短絡する。
ACとL11が短絡したことにより受信機内部のD11のリレーが作動する。
BD11のリレーが作動したことによりd11の接点が閉じる。
Cd11の接点が閉じたことによりDC、D11間に電圧(24V)が生じる。
DDC、D11の電圧が防排煙のコイルに加わる。
E防排煙のコイルに電圧が加わることにより防排煙設備が作動し接点が閉じる。
F接点が閉じたことによりDCとDA11が短絡する。
GDCとDAが短絡したことにより受信機の11番の防火戸の確認灯が点灯する。



DCを共通線、Dを作動線、DAを確認(応答)線といいます。


また、防排煙の機器によっては手動起動では閉じずに火報連動の時のみに閉じる接点と、手動起動でも閉じる接点とが併設されているものもあります。(例 図70−2−2)

上のような機器を図 70−10−2のように結線すると手動で防排煙機器を作動させたときに受信機に起動確認表示が出ません。


図 70−10−3のように結線することにより火報連動でも手動起動でも受信機に起動確認表示が出せるようになります。